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統合失調症

統合失調症は、幻覚・妄想・思考の混乱などを主な症状とする精神疾患です。吉川市の中村病院では、埼玉県内でも限られたCPMS登録医療機関として、治療抵抗性統合失調症に対するクロザリル(クロザピン)治療を含む高度な精神科医療を提供しています。「誰かに監視されている気がする」「声が聞こえる」「考えがまとまらない」などの症状で困っている場合は、一人で抱え込まずにご相談ください。

当院の統合失調症における特徴

埼玉県内でも希少なクロザリル治療に対応

当院はCPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)登録医療機関として、治療抵抗性統合失調症に対するクロザリル治療を提供しています。これは、複数の抗精神病薬を試みても十分な効果が得られなかった方に対して使用できる薬であり、埼玉県内では対応できる病院が限られています。

クロザリルの使用には定期的な血液検査による厳密なモニタリングが必要ですが、当院では院内での検査体制が整っており、連携医療機関(順天堂大学医学部附属浦安病院血液内科と吉川中央総合病院糖尿病・内分泌内科)と協力しながら安全に治療を進めることができます。「他の薬では効果がなかった」という方も、ぜひ一度ご相談ください。

クロザリル治療について詳しく

急性期から社会復帰まで、グループ全体でつながる体制

統合失調症の治療は、外来での初診や急性期の入院治療から始まり、回復・維持期の通院、そして地域での社会生活へと段階的に移行していきます。当院では、訪問診療・訪問看護・デイナイトケア・作業療法を総合的に活用し、手厚い生活支援と安定した治療継続を両立しながら、社会復帰を推進しています。

関連施設であるシェアハウス花みずきや介護老人保健施設ケアリングよしかわとも連携することで、退院後の住まいや、介護が必要になった段階も含め、切れ目のない支援体制を実現しています。「退院後、どこに戻ればいいかわからない」という方のご相談にも、精神保健福祉士が対応しています。

電気けいれん療法(ECT)にも対応

薬物療法で十分な効果が得られない場合や、強い精神運動興奮・昏迷状態が続く場合、幻覚妄想が強く切迫した状態にある場合には、電気けいれん療法(ECT)を選択することがあります。当院では統合失調症に対するECTにも対応しており、症状に応じた幅広い治療の選択肢を持っています。薬物療法だけにとどまらない、総合的な治療体制が当院の強みのひとつです。

電気けいれん療法(ECT)について詳しく

統合失調症とは

統合失調症は、思考・感情・行動・知覚・認知機能などに影響を及ぼす脳の病気です。100人に約1人がかかるとされており、決して珍しい病気ではありません。発症しやすい時期は10代後半から30代にかけてが多く、男女ともに発症します。

「奇妙な行動をとる人の病気」というイメージを持つ方もいます。ただし、個人差はあるものの、適切な治療によって症状を安定させ、日常生活や社会生活を送ることもできる病気です。治療の継続と生活環境の整備が、長期的な安定に大きく影響します。

統合失調症の症状

統合失調症の症状は大きく「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」に分けられます。

陽性症状は、実際にはないものが感じられたり、根拠のない強い確信が生まれたりする症状です。命令や非難する内容の声が聴こえる幻聴、他者に危害を加えられるという被害妄想、自分が監視されているという注察妄想、自分の考えが他者に知られているという思考伝播などが代表的です。

陰性症状は、感情の起伏が乏しくなる、意欲や自発性が低下する、言葉数が減るなど、活動性が全体的に低下する症状で、自閉的で非生産的な生活につながります。陽性症状に比べて目立ちにくいですが、日常生活や社会生活への影響は大きいことがあります。

認知機能障害としては、集中力・記憶力・判断力の低下などが見られます。これらが重なることで、仕事や学業、対人関係への影響が出ることも少なくありません。

統合失調症の原因

統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、脳内のドーパミンやグルタミン酸などの神経伝達物質のバランスの乱れが関係していると考えられています。遺伝的な要因、妊娠・出産時のトラブル、幼少期のストレス体験、思春期の強いストレスなどが複合的に関与するとされています。

「育て方が悪かった」「本人の意志が弱い」などが原因ではなく、脳の機能的な変化によって起こる病気です。この点については、患者さまとご家族にも丁寧にお伝えするようにしています。

統合失調症の診断

診断は精神科専門医による問診と経過観察をもとに行います。症状の種類・持続期間・日常生活への影響などを丁寧に確認し、国際的な診断基準などに照らして総合的に評価します。血液検査や画像検査(他院との連携も含む)は、他の身体疾患との鑑別や治療前の評価として行うことがあります。

発症初期には症状が曖昧で、他の病気と見分けがつきにくいこともあります。「様子がおかしい」と家族が感じた場合も、まずは受診のご相談をいただくことが早期介入につながります。

統合失調症の治療

統合失調症の治療の中心は抗精神病薬による薬物療法です。特に陽性症状の改善に効果的であり、継続的な服薬が再発予防に重要です。当院では患者さまのライフスタイルを大切にし、持続性注射剤(LAI)を積極的に活用することで、飲み忘れのリスクを減らしながら安定した治療継続を目指しています。

治療抵抗性の場合はクロザリル治療が選択肢となります。また、作業療法やデイケアなどを通じたリハビリテーションも、社会機能の回復において重要な役割を果たします。入院から地域生活までを一貫して支えることが、当院の治療方針の根幹にあります。

薬物療法について詳しく 作業療法について詳しく

入院が必要になる場合

陽性症状(幻覚・妄想)が強く、日常生活が困難になっている場合。生活が乱れて日常生活の立て直しが必要な場合。自傷・他害のおそれがある場合。薬の服用ができなくなっている場合。ご家族が対応に限界を感じている場合。強い精神運動興奮や昏迷状態(意識はあるが自発的な反応がない状態)が続いている場合。希死念慮がある場合。これらに該当するときは、入院治療が必要と判断されることがあります。

入院については、医師・看護師・精神保健福祉士が連携して、患者さまとご家族の状況に応じた方針を検討します。ご家族が困難を感じているときも、医療福祉相談室への相談から始めることができます。

回復と社会復帰について

統合失調症の回復は一直線ではなく、良い時期と難しい時期を繰り返しながら徐々に安定していくことが多いです。再発予防のためにも、症状が落ち着いた時期にも薬の服用を続けることが大切です。回復、社会復帰を目指すには、確実な服薬を継続することは何よりも大切です。

また、統合失調症の患者さまの中には、「社会に出ていくことなどできるはずがない」「やりたいことが叶うはずがない」などとあきらめている方が少なくありません。しかし、実際にはなりたい自分や叶えたい自分をあきらめて、自身の可能性に蓋をする必要はありません。必要な支援を受けながら適切な道筋を辿れば、リカバリーを目指し、自らが思い描く自分になることも十分に可能なのです。

当院では、退院後の社会復帰に向けてデイナイトケアや作業療法を活用したリハビリテーションを積極的に取り入れています。精神保健福祉士が行政・地域サービスと連携し、福祉制度の活用や生活環境の整備もお手伝いします。家族と生活することが難しい方や一人で生活することに不安がある方には、住まいを提供することも可能です。「社会に戻ることが不安」という方も、焦らず段階的に取り組んでいけるよう、当院のスタッフが一緒に考えます。

デイケア・デイナイトケアについて詳しく 訪問診療について詳しく

よくある質問

クロザリル治療について詳しく

公的支援制度について詳しく

統合失調症は完治しますか?
完全に症状がなくなる「完治」という概念より、「症状をコントロールしながら自分らしい生活を続けること」を目標とする場合がほとんどです。薬の継続とリハビリテーション、生活環境の整備などによって、自身のなりたい姿や目標を医療スタッフとともに考え、リカバリーを目指します。
薬を飲むと副作用が心配です。
抗精神病薬には眠気・体重増加・動きにくさなどの副作用が出ることがあります。当院では定期的な血液検査や診察によって副作用をモニタリングし、必要に応じて薬の調整を行います。気になる症状があれば遠慮なくお伝えください。
家族がいつの間にか薬をやめてしまいます。
服薬中断は再発の大きなリスク要因です。持続性注射剤(月1回程度の注射)を使用することで、毎日飲み忘れる心配がなくなります。これにより、人によっては、服薬自体が不要となるケースもあります。また、ご家族からのご相談も受け付けていますので、まずはお電話ください。
働くことはできますか?
症状が安定した段階で、段階的に就労を目指すことは十分に可能です。デイケアでの社会スキルトレーニングや作業療法を通じてリハビリを行いながら、精神保健福祉士が就労支援や行政サービスへのつなぎも行っています。
クロザリル治療を受けるには入院が必要ですか?
クロザリル治療の開始には原則18週間の入院が必要です。血液検査によるモニタリングが厳密に求められるため、入院環境での導入が原則となります。一定の条件を満たした場合は早期退院が可能なこともあります。詳細は外来でご相談ください。
精神障がい者保健福祉手帳はどこで申請できますか?
申請はお住まいの市区町村窓口で行います。当院では診断書の発行が可能です。手続きの流れや活用できる制度については、精神保健福祉士(医療福祉相談室)にご相談ください。

最終更新日:

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