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発達障害(ASD)

別名:自閉スペクトラム症/ASD/発達障害

発達障害(ASD:自閉スペクトラム症)は、社会的なコミュニケーションや対人関係に困難を抱え、特定の行動パターンや強いこだわりを特徴とする発達上の障害です。吉川市の中村病院では、成人の発達障害の診断・治療に対応しており、精神科専門医が丁寧な問診と必要な検査を通じて診断を行っています。「人間関係がうまくいかない」「場の空気が読めないと言われる」「ずっと生きづらさを感じている」という方は、ぜひご相談ください。

当院の発達障害(ASD)における特徴

成人の発達障害診断にも対応した専門体制

当院では成人の発達障害の診断にも対応しています。診断の流れは、初診での問診をもとに、必要に応じてWAIS-Ⅳ(知能検査)やAQ(自閉症スペクトラム指数)などの心理検査を行い、総合的に診断を確定します。おおむね1〜2か月程度を目安としていますが、症状が明確な場合には初診時に診断できるケースもあります。

「子どもの頃から生きづらさを感じてきたが、診断を受けたことがない」という成人の方も多く来院されています。「今さら診断を受けても遅い」ということはありません。正確な診断を受けることで、自分の特性を理解し、より生活しやすくなるための一歩を踏み出すことができます。診断に至るまでの経過を丁寧にお聞きしますので、言葉にしにくいことも少しずつお話しいただければ大丈夫です。

精神保健福祉士による生活支援と地域・行政サービスへのつなぎ

発達障害には特定の療育プログラムや専門的なリハビリがあるわけではありませんが、当院の精神保健福祉士が連携して行政・地域のサービスへつなぐ支援を行っています。精神障がい者保健福祉手帳の取得・就労支援・地域サポート機関への紹介など、生活の質を高めるための具体的な手続きについて、一緒に考えます。

「診断されたあとどうすればいいかわからない」という方にとって、こうした実際の生活に根ざした支援が回復と安定の鍵になります。診断後の見通しについても、初診時から丁寧にご説明します。

公的支援制度について詳しく

二次障害(うつ・不安症)への対応も含めた総合的な診療

ASDを持つ方は、環境や人間関係からのストレスが重なることで、うつ病・不安症・適応障害などの二次障害を発症することがあります。当院では、発達障害の特性と二次障害の両面を踏まえた診療を行っており、必要に応じて薬物療法も行います。

「うつの治療を続けているが改善しない」「自分にはASDがあるかもしれない」と感じている方もいらっしゃると思います。うつ病と診断され、長年治療されている方の中にも、ASDの特性が背景にある場合が少なくありません。治療の方針が変わることもありますので、ぜひご相談ください。

うつ病について詳しく

発達障害(ASD)とは

ASD(自閉スペクトラム症)は、社会的なコミュニケーションや対人関係の困難さ、および限定的・反復的な行動パターンや強いこだわりを特徴とする発達の障害です。

「スペクトラム(連続体)」という名の通り、正常とASDの境界は明確に区別できるものではなく、また、症状の現れ方や程度も一人ひとり大きく異なります。知的な能力が高い方でも診断されることがあり、「高機能自閉症」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」と呼ばれていた概念も現在のASDに含まれます。ASDは生まれつきの特性であり、「育て方が悪かった」「本人の努力が足りない」という問題ではありません。

発達障害(ASD)の症状

ASDの主な特徴として、社会的なコミュニケーションの困難さがあります。表情や声のトーンから相手の気持ちを読み取ることが難しい、冗談や比喩が字義通りに受け取られてしまう、会話の文脈を理解しにくい、といったことが挙げられます。

対人関係では、集団の中での暗黙のルールが理解しにくい、相手の立場に立って考えることに難しさを感じる、会話が一方向になりやすいといった傾向が見られることがあります。

また、特定の事柄への強い関心、日常のルーティンの変化に対する強い抵抗感、感覚の過敏さ(音・光・触感など)も特徴的な症状です。これらは仕事・学業・対人関係に影響を及ぼし、「なぜうまくいかないのか」と長年悩んでいる方も少なくありません。学生時代は比較的保護された環境で問題とならなかったものが、社会に出てからコミュニケーションの難しさが顕在化し、職場での人間関係や業務の進め方に強いストレスを感じるようになって初めて受診されるケースも多いです。「生きづらさ」として苦しんできた、自分ではそんなつもりがないのに「空気が読めない」などと言われて辛い思いをしてきた、という方も珍しくありません。

発達障害(ASD)の原因

ASDの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因が強く関与していると考えられています。脳の神経発達の違いによって生じるものであり、育て方や本人の意志とは無関係です。

「親の育て方が原因だ」という考えは科学的に否定されています。ASDは生まれつきの特性であり、その特性を理解したうえで、生活しやすい環境や方法を見つけていくことが大切です。特性そのものを変えようとするのではなく、自分に合った環境・方法・サポートを見つけることが、日常生活の質を高める上で非常に重要です。

発達障害(ASD)の診断

当院での診断の流れは以下の通りです。初診時に現在の困りごと・生育歴・家庭環境・学校や職場での経験を詳しく問診します。必要に応じて血液検査・画像検査(他院にて)を行い、身体的な原因を除外します。その後、心理検査(WAIS-Ⅳ・AQなど)を実施し、検査結果と問診をもとに診断を行います。

おおむね1〜2か月程度かかりますが、症状が明確な場合には初診時に診断できるケースもあります。過去の通知表や母子手帳など、幼少期の様子がわかる資料があれば参考になる場合があります。ご自身の記憶が曖昧な部分は、ご家族に確認していただくことも有益です。診断に必要な情報を事前にメモしてお持ちいただくと、初診がよりスムーズに進みます。

発達障害(ASD)の治療・支援

ASD自体を「治す」薬はありませんが、二次障害として現れるうつ・不安症状・衝動性・不眠などへの薬物療法は有効です。当院では必要に応じて薬物療法を行い、症状を安定させることで日常生活の質を改善します。

また、自分の特性を知ること・環境を調整すること・困ったときに相談できる場をつくることが、ASDの方の生活支援において重要です。必要に応じて、学校や職場などと連携し、特性に応じた対応を共有します。精神保健福祉士が診断後の生活設計について相談に乗ったり、行政・就労支援・地域サービスへのつなぎを行い、具体的な生活環境の整備を一緒に進めることも可能です。「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはご相談ください。一人で悩まずに、専門家とともに歩んでいきましょう。

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よくある質問

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大人になってからASDと診断されることはありますか?
あります。子どもの頃に診断を受けていなくても、成人後に「生きづらさ」を感じて受診し、ASDと診断されるケースは増えています。学生時代は比較的保護された環境で問題とならなかったものが、様々な判断を要求される社会人になってから、問題が顕在化することが少なくありません。しかし、正確な診断を受けることで、自分の特性を理解し、具体的な対処法や支援につながる手助けになります。受診をするのに遅すぎるということはありませんので、いつでもご相談ください。
診断を受けるにはどのくらいの期間がかかりますか?
おおむね1〜2か月程度を目安としています。心理検査の必要性や予約状況によって前後することがあります。症状が明確な場合は初診時に診断できることもあります。
ASDだとわかったら、どんな支援が受けられますか?
精神障がい者保健福祉手帳の取得・障がい者雇用への切り替え・就労移行支援事業所の利用・相談支援事業所や地域活動支援センターとの連携など、様々な選択肢があります。当院の精神保健福祉士が一緒に考え、必要な機関へつなぎます。
うつ病の治療を受けていますが、ASDかもしれないと思っています。
ASDに気づかれないままうつ病の治療だけを受けているケースは少なくありません。ASDの特性が背景にある場合、治療方針が変わることもありますし、なかなか改善しなかったケースでも改善に向かうこともあります。現在通院中の方も、気になる点があれば医師にお伝えください。
仕事がうまくいかず悩んでいます。受診してもよいですか?
「仕事の悩み」「自分の能力の低さ」「自分の弱さ」が悩みの原因だと感じていても、その背景にASDや他の発達障害が関係していることがあります。まずは受診して、困りごとの原因を整理することから始めましょう。診断がつかなくても、困っている状況を整理するだけで次のステップが見えてくることがあります。
感覚過敏があります。病院の待合室が辛いのですが。
外出や待合室の環境が辛いと感じる方は、来院前にお電話でご相談ください。可能な範囲で配慮した対応を検討します。オンライン診療(メドレーCLINICS)や訪問診療のご利用もご検討ください。

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