別名:注意欠如・多動症/ADHD
ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意(注意力の持続の難しさ)・衝動性・多動性を主な特徴とする発達の障害です。吉川市の中村病院では、ADHD診断・治療に対応しており、精神科専門医による問診と必要な心理検査を通じて診断を行っています。「集中が続かない」「忘れ物・失くし物が多い」「衝動的な行動が止められない」という方は、ぜひご相談ください。
当院のADHDにおける特徴
成人のADHD診断・薬物療法にも対応
当院では成人のADHD診断と薬物療法にも対応しています。診断の流れは、初診での問診(本人の困りごと・生育歴・幼少期の様子の確認)をもとに、必要に応じてASR-S・CAARSなどの心理検査を行い、診断を確定します。また、血液検査・画像検査(他院との連携)を行い、身体的な原因を除外した上で診断します。おおむね1〜2か月程度を目安としていますが、症状が明確な場合には初診時に診断できるケースもあります。
「仕事でミスが多い」「時間管理ができない」「衝動的に発言して後悔する」といった悩みを持つ成人の方が、ADHDの診断後に薬物療法を始めて生活が大きく改善するケースがあります。「自分はだらしないだけだ」「怒られてばかり」と長年自分を責め続けてきた方も、診断によってその困難の原因が明確になり、「気持ちが楽になった」と話される方も多くいます。「もしかして自分はADHDかもしれない」と感じたら、まずはご相談ください。
登録医師によるコンサータ処方に対応
ADHD治療薬のひとつであるコンサータ(メチルフェニデート塩酸塩徐放錠)は、適正使用のために登録医師のみが処方できる薬剤です。当院には登録医師が在籍しており、コンサータを含むADHD治療薬(コンサータ・ストラテラ・インチュニブ)の処方が可能です。
薬の選択については、患者さまの症状・生活スタイル・副作用への懸念などを考慮したうえで、一緒に相談して決めます。薬を飲まなければ治療ができないわけではないので、「薬を使いたくない」という方の気持ちも尊重しながら、共同意思決定(SDM)も大切にし、適切な情報をお伝えします。
二次障害への対応と精神保健福祉士による生活支援
ADHDを抱えたまま成人し、職場でのトラブルや失敗体験が積み重なることで、うつ病・不安症・自己評価の著しい低下などが生じることがあります。当院では、ADHDの特性を踏まえた薬物療法と精神療法に加え、精神保健福祉士による行政・就労支援へのつなぎも行っています。
診断後の生活を具体的にどう変えていくかについて、医師・精神保健福祉士が連携して支援します。
ADHDとは
ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)は、不注意(注意力の維持の難しさ)・衝動性(衝動的な行動)・多動(過度な多動性)を特徴とする発達の障害です。幼少期から症状が現れることが多いですが、大人になってから初めて気づくケースも多くあります。
ADHDには大きく「不注意優勢型」「多動・衝動性優勢型」「混合型」の3つのタイプがあります。成人では多動性が目立たなくなり、不注意・衝動性が主な困りごとになることが多いです。
「だらしない」「やる気がない」と周囲から思われがちですが、ADHDは脳の機能的な特性によるものであり、意志や努力の問題ではありません。専門医によって正しく診断され、適切な治療を受けることにより、「これまで悩んできたことや怒られてきたことは、自分のだらしなさの問題ではなかった」「うまくできないと諦めていたことができるようになった」「頭の中が整理できてすっきりするようになった」「自己肯定感を取り戻すことができた」と感じていただくことも、十分に可能な障害なのです。
ADHDの症状
不注意の症状としては、細かいミスが多い、気が散りやすく集中が続かない、忘れ物・失くし物が頻繁にある、中途半端にやりっぱなしにしてしまう、片付けや整理整頓が苦手、期限ぎりぎりになるか期限を守れない、遅刻が多い、物事を順序立てて進めることが難しい、長時間の作業で集中力が切れやすいといったものがあります。逆に、自分が興味のあることについては過度に集中しすぎて(過集中)、周りが見えなくなってしまうこともあります。
多動・衝動性の症状としては、じっとしていることが苦手、順番を待てない、思ったことをすぐ口に出してしまう、感情のコントロールが難しい、といったことが挙げられます。
成人のADHDでは、これらの特性が職場での業務管理・人間関係・経済管理(お金の使いすぎ)などに影響し、慢性的なストレスや自己評価の低下につながることがあります。「なぜ自分だけうまくいかないのか」という長年の疑問が、ADHDの診断によって解消されるケースも多くあります。
ADHDの原因
ADHDの原因は完全には解明されていませんが、脳内のドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の機能に関係していると考えられています。遺伝的な要因が強く関与しており、親や兄弟にADHDの方がいる場合は発症リスクが高まります。
「育て方が悪い」「甘やかしすぎた」という問題ではなく、脳の神経発達の違いによって生じる障がいです。このことを理解することが、本人とご家族の双方にとって大切な第一歩となります。
ADHDの診断
当院でのADHD診断の流れは次の通りです。初診での問診(現在の困りごと・生育歴・学校時代の様子の確認)を行います。診断には子どもの頃からの症状があることの確認が重要なため、母子手帳・小学校時代の通知表・ご家族からの情報提供などが参考になります。必要に応じてASR-S・CAARSなどの心理検査を行い、血液検査・画像検査(他院との連携)で身体的な原因を除外します。
おおむね1〜2か月程度かかりますが、症状が明確な場合には初診時に診断できることもあります。診断に向けて準備できることがあれば、初診前にお電話でお問い合わせいただくことも可能です。
ADHDの治療
ADHDの治療には薬物療法が有効です。当院ではコンサータ(登録医師のみ処方可)・ストラテラ・インチュニブの処方が可能です。
コンサータは即効性があり、集中力や衝動性の改善に効果的ですが、登録制の薬剤で使用記録の管理が必要なため定期的な診察が必要です。ストラテラ・インチュニブは効果が出るまでに時間がかかりますが、長期的な安定に適しています。
薬の選択は患者さまの症状・生活スタイル・副作用への懸念などを考慮して相談のうえで決定します。薬物療法と合わせて、生活上の工夫(スケジュール管理・環境の整理など)についても一緒に考えます。薬だけに頼るのではなく、日常生活の中で実践できることを取り入れながら、より安定した毎日を目指していきましょう。
よくある質問
ADHDに関して患者さまやご家族からよくいただく質問をまとめました。
- 大人でもADHDと診断されますか?
- はい。成人のADHD診断は珍しくありません。子どもの頃から症状はあったものの、頭がよかったり環境が整っていたりしてカバーできていたという方も多く、社会に出てから困りごとが明確になって受診されるケースが増えています。診断されないまま社会生活を送っているという方も、決して珍しくありません。
- 診断に母子手帳や通知表は必ず必要ですか?
- 必須ではありません。ただし、幼少期からの症状を確認するための参考情報として役立つため、可能であれば持参してください。ご家族に幼少期の様子を確認してもらうことも有益です。
- コンサータは依存性がありますか?
- コンサータは、専門医の指導の下、適切な用法・用量で使用した場合、治療効果を目的とした薬として安全に使用できます。正しく使用すれば、決して怖い薬ではありません。ただし管理が必要な薬剤であるため、処方には登録医師による適正使用のもとで行います。
- ADHDの薬を飲めば、すぐに効果が出ますか?
- コンサータは服用後比較的早く効果を感じられる場合がありますが、ストラテラ・インチュニブは数週間から数か月かけて効果が安定してきます。薬の効果・副作用については定期的な診察のなかで確認します。
- 仕事での失敗が続いています。ADHDが原因かもしれません。
- 「仕事でのミスが多い」「段取りが苦手」「時間管理ができない」という悩みがある場合、ADHDが関係していることがあります。受診によって診断と適切な治療が始まることで、日常生活の質が改善することがあります。まずはご相談ください。
- 子どもの頃にADHDと言われましたが、大人になっても治療が必要ですか?
- ADHDは大人になって、軽くなることはあっても特性が残ることが多いです。症状が生活に影響している場合は、成人後も治療を継続することが有益です。過去に診断を受けていたが安定した治療に繋がらなかったような方や効果を実感できなかった方も、ぜひ受診してください。子どもの頃と成人後では生活環境や困りごとが変わることもありますので、現在の状況に合った治療方針を一緒に考えます。
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