本文へスキップ

クロザリル治療

クロザリル治療(クロザピン療法)は、2種類以上の抗精神病薬を十分量・十分期間試みても十分な効果が得られなかった(反応性不良または耐容性不良)「治療抵抗性統合失調症」に対して使用できる薬物療法です。吉川市の中村病院はCPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)登録医療機関であり、埼玉県内でも限られた病院のみが対応できるクロザリル治療を提供しています。「他の薬では効果がなかった」という方は、ぜひご相談ください。また、治療抵抗性統合失調症の患者さまに対する治療方針に悩まれている医療機関の方からのご相談もお受けしております。

当院のクロザリル治療における特徴

埼玉県内でも希少なCPMS登録医療機関

当院はCPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)登録医療機関として認定されており、クロザリル(クロザピン)治療を提供できる施設です。埼玉県内でこの治療を提供できる病院は非常に限られており、「他の病院では対応できないと言われた」という方のご相談も受け付けています。

CPMS登録医師・登録薬剤師が在籍しており、クロザリル投与に必要な厳密な管理体制を院内で整えています。「他院でクロザリルが必要と言われたが、受けられる病院が見つからない」という方も、まずはご相談ください。

連携医療機関との協力体制

クロザリル治療では、副作用として無顆粒球症(白血球の一種である好中球が著しく減少する状態)・糖尿病などの重篤なリスクへの対応が必要です。当院では、血液内科として順天堂大学医学部附属浦安病院、糖尿病・内分泌内科として吉川中央総合病院と連携協力体制を構築しており、必要に応じて専門的な治療につなげることができます。

このような連携体制があることで、安全にクロザリル治療を継続することが可能です。身体的な問題が生じた場合も、専門医療機関と連携して迅速に対応できる体制を整えています。

丁寧な説明と同意に基づく治療開始

クロザリル治療を開始するには、CPMS規定に基づく患者登録・書面による同意取得・適格性の確認など、複数の要件を満たす必要があります。当院では治療開始前に患者さま・ご家族に対して、クロザリルの効果・リスク・血液検査の必要性・治療の流れについて丁寧に説明します。

納得して治療を始めていただくことが、長期的な治療継続につながります。「わからないまま始めてしまった」ということがないよう、説明には十分な時間を設けています。

クロザリル治療とは

クロザリル(一般名:クロザピン)は、2種類以上の抗精神病薬による治療を十分な量・十分な期間投与しても十分な効果が得られなかった治療抵抗性統合失調症(他の抗精神病薬で十分な効果が得られない統合失調症)に対して使用できる薬です。「十分な効果が得られなかった」とは、「反応性不良」と「耐容性不良」とに分けられます。「反応性不良」とは、十分な改善が得られない場合のことです。「耐容性不良」とは、たとえ効果があったとしても、副作用によって治療を継続できない場合のことです。クロザリルは他の抗精神病薬とは異なる作用機序を持ち、従来の薬では改善しなかった陽性症状・陰性症状に対しても効果を発揮することがあります。現在投与可能な抗精神病薬の中で、唯一他の薬よりも優れた効果が示されている薬剤がクロザリルです。

一方で、無顆粒球症(白血球の一種が著しく低下する状態)・糖尿病・心筋炎などの重篤な副作用リスクがあるため、日本ではCPMSによる厳密なモニタリングのもとでのみ使用が認められています。副作用リスクは十分に管理が可能であり、当院では連携医療機関との協力のもと、その体制を整えた上で安全に治療を提供しています。副作用のリスクを考慮しても、治療抵抗性統合失調症の患者さまにはそれ以上の効果を期待でき、生活の質を劇的に変え得る可能性のある薬剤です。「副作用が心配だからやめておく」という判断をする前に、一度専門医にご相談ください。

クロザリルの適応となる方

クロザリル治療を開始するには、以下の要件を満たす必要があります。添付文書に記載された治療抵抗性統合失調症の定義に適合していること。過去に複数の抗精神病薬を十分量・十分期間使用しても十分な改善がみられない、または副作用のために十分な抗精神病薬を投与できなかったこと。添付文書に記載された禁忌に該当しないこと。治療開始前の血液検査で白血球数・好中球数が規定値以上であること。本人または代諾者による書面での同意が得られること。CPMS規定に従った定期的な血液検査の実施が可能であること。患者と同居して患者の症状を確認し、規定量の服薬及びCPMSの規定通りの通院を支援できる者がいること。

クロザリル治療の流れ

クロザリル治療は、以下の流れで進めます。

まずスクリーニングと適格性確認として、治療抵抗性統合失調症の定義への適合確認・禁忌の確認・治療前血液検査(白血球・好中球・血糖値・HbA1c)を行います。患者登録前4週間以内の検査値が規定を満たしていることが条件です。

次に説明と同意取得として、本人または代諾者(家族など)から書面での同意を取得します。本人の同意能力が限られている場合は、家族などから代諾者同意を取得します。

eCPMS登録として、患者情報(イニシャル・性別・生年月日・血液型・検査結果・治療歴・同意日など)をシステムに登録します。

投薬開始として、血液検査プロトコールに従いモニタリングしながら投薬を開始。患者さまの状態を確認しながら継続の可否・投与量を判断します。

治療期間については、原則18週間の入院が必要です。ただし投与後3週間を経過し、至適用量設定後1週間以上経過した段階で本人が退院を希望し、医師が安全と判断した場合などは、一定条件のもとで早期退院も可能です。

血液検査のモニタリング体制

クロザリル治療では、CPMS規定に基づく定期的な血液検査(白血球数・好中球数・血糖値・HbA1c)が必須です。検査頻度は治療段階によって異なります。

開始〜26週まで:原則週1回。27〜52週まで:原則2週に1回。52週以降:原則4週に1回(一定条件を満たした場合)。

血液検査の結果によって頻度は変更となります。結果に異常が見られた場合は、連携医療機関に相談のうえ、必要に応じて治療方針を変更します。状態次第では転院して専門治療に切り替える場合や、プロトコールに則って、やむを得ず投与を中止する場合もあります。気になることがあれば遠慮なくお聞きください。

費用について

クロザリル治療は保険適用の治療です。ただし、入院での治療開始が原則のため、入院費用が別途かかります。高額療養費制度・自立支援医療制度を利用することで自己負担を軽減できる場合があります。詳細は医療福祉相談室にご相談ください。クロザリル治療は原則として4か月程度の入院が必要な治療です。入院期間が長くなることがありますが、費用面での不安がある方も含めてご相談を受け付けています。ご心配な方はクロザリル治療開始前に確認することをお勧めします。

公的支援制度について詳しく

よくある質問

統合失調症について詳しく 薬物療法について詳しく 訪問診療について詳しく

クロザリル治療を受けるにはどうすればよいですか?
まずは外来でご相談いただくか、入院中の方は主治医にご相談ください。治療抵抗性統合失調症と判断された場合に、クロザリル治療の適応かどうかを検討します。現在他院に通院中の方も、紹介状をお持ちのうえご来院いただければご相談を受け付けます。
必ず入院しなければいけませんか?
クロザリル治療の開始には原則18週間の入院が必要です。ただし投与後3週間を経過し、至適用量設定後1週間以上経過した患者さまが退院を希望する場合など、一定の条件を満たせば早期退院も可能です。
血液検査はなぜ頻繁に必要ですか?
クロザリルには無顆粒球症(白血球の急激な低下)という重篤な副作用リスクがあります。このリスクを早期に発見するため、CPMS規定に基づく定期的な血液検査が必須です。検査は安全に治療を続けるための重要な管理です。
他の病院でクロザリルを飲んでいます。転院は可能ですか?
転院後も継続してクロザリル治療を受けることが可能です。転院の際は、現在の担当医と連携して手続きを進めます。eCPMSへの継続登録も当院で行いますので、まずはお問い合わせください。
クロザリルを飲むと太りますか?
体重増加・血糖値の上昇はクロザリルの副作用として知られています。当院では定期的な血糖値・HbA1cの検査を行い、必要に応じて連携医療機関(吉川中央総合病院糖尿病・内分泌内科)と協力して対応します。体重・食事・運動についても必要に応じて当院の管理栄養士とともにアドバイスを行います。
クロザリルを飲んでいる間、定期的に通院できるか不安です。
血液検査の実施が条件となるため、定期的な通院が必要です。生活状況についても相談しながら、無理なく継続できる方法を一緒に考えます。

最終更新日:

電話する 初診の流れ アクセス