別名:うつ病性障害/大うつ病
吉川市の中村病院では、うつ病の診断から治療、回復後の生活支援まで、精神科専門医による総合的な診療を行っています。「気力がわかない」「何をしても楽しくない」「朝、起き上がれない」といった症状が続いているとき、それはうつ病のサインかもしれません。一人で抱え込まず、まずは当院にご相談ください。うつ病は適切な治療によって回復できる病気です。
当院のうつ病における特徴
専門医チームによる個別の治療計画
当院の常勤医師は全員が日本専門医機構認定の精神科専門医および精神保健指定医の資格を持っています。うつ病の症状や経過は患者さまによって大きく異なるため、画一的な治療ではなく、一人ひとりの状態・生活環境・ご希望だけでなく、ご家族の状況にも合わせた治療方針を選択することが非常に大切です。このため、患者さまと一緒に相談しながら治療方針を決める「共同意思決定(SDM)」を重視しています。
薬物療法においてもその効果には個体差が大きいため、最新の知見とともに専門医の視点で、個々に合わせた薬剤選択を行います。また、定期的な血液検査によって副作用を慎重にモニタリングし、慎重かつ安全に進めます。患者さまのライフスタイルに無理なく合った形で、安定した治療を継続できるよう努めています。
田園環境のなかで、ゆっくり療養できる入院環境
当院は都市部の喧騒から離れた吉川市の田園地帯に位置しており、静かな環境の中でゆっくりと心身を休めることができます。入院が必要な場合には、ストレスケアユニット(個室)をご利用いただくことも可能です。
「自宅では家事が気になって休めない」「家族に気を遣ってしまう」という方も、院内では日常の役割から離れ、治療に専念する時間をつくることができます。作業療法では屋内プログラムはもちろんのこと、農作物の栽培・収穫など、土地柄を活かした屋外プログラムも取り入れており、段階的な回復を丁寧に支えます。
電気けいれん療法(ECT)にも対応
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、速やかな改善が必要な場合には、電気けいれん療法(ECT)を行うことができます。強い希死念慮(死にたいと願う気持ち)がある方、食事が摂れずに衰弱している方、薬の副作用が懸念される高齢の方など、薬物療法だけでは対応が難しいケースでも、ECTという選択肢があることで治療の幅が広がります。
うつ病とは
うつ病は、気分の落ち込みや興味・関心の喪失が続き、日常生活や仕事に支障をきたす精神疾患です。「気の持ちよう」や「根性の問題」ではなく、脳の神経伝達物質のバランスが崩れることで起こる、れっきとした病気です。
世界保健機関(WHO)の報告によると、うつ病は世界中で多くの人が罹患している疾患のひとつです。日本でも決して珍しい病気ではなく、誰でもかかりうるものです。適切な治療を受けることで回復が見込まれるため、症状が続く場合は早めに専門医に相談することが大切です。
うつ病の症状
うつ病の症状は、大きく「こころの症状」と「からだの症状」に分けることができます。
こころの症状としては、気分の落ち込みや憂うつ感、何をしても楽しめない・喜べない、物事への興味や関心、意欲の低下、自分を責める気持ちや罪悪感、集中力や判断力の低下、死にたいという気持ち(希死念慮)などが挙げられます。
からだの症状としては、不眠(または過眠)、食欲の低下(または増加)、体のだるさや疲れやすさ、頭痛や肩こり、動悸、胃腸の不調などが現れることもあります。
これらの症状が2週間以上続いている場合は、うつ病の可能性があります。「このくらいで受診していいのか」と迷う方も多いですが、早期に専門医に相談することが回復への近道です。
うつ病の原因
うつ病の原因は一つではなく、複数の要因が重なって発症することがほとんどです。脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスの乱れが関係していると考えられていますが、それだけでなく、遺伝的な素因、強いストレス体験、環境の変化、性格的な傾向なども影響します。
仕事上のプレッシャーや職場の人間関係、家族との関係、喪失体験(大切な人との別れや失業など)が引き金となることも多く、「真面目で責任感が強い」「他者に気を遣いやすい」という気質の方が発症しやすい傾向があるとも言われています。辛い出来事のみならず、職場での昇進など、客観的に見るとポジティブな環境の変化が誘因となることもあります。
うつ病の診断
うつ病の診断は、問診(医師による詳しい聞き取り)をもとに行います。血液検査や画像検査でわかる病気ではないため、症状の内容・期間・日常生活への影響などを丁寧に確認しながら、国際的な診断基準などに照らして総合的に判断します。
初診時には、いつ頃からどのような症状があるか、睡眠や食欲の状態、仕事や生活への影響などをお聞きします。うまく話せなくても構いません。気になることはメモして持参いただいたり、ご家族などに代弁していただいたりすると、より正確な診断につながります。一見すると関係ないと思われるような、これまでの生活や人生についてのエピソードが、診断や治療上有用である場合も少なくありません。
うつ病の治療
うつ病の治療の中心は、休養・薬物療法・精神療法(支持的精神療法)の組み合わせです。
まず何より大切なのが「休養」です。うつ病の状態では、頑張れば頑張るほど症状が悪化することがあります。治療の初期は、いったん休むことを治療の一環として捉えることが重要です。
薬物療法では、主に抗うつ薬を使用します。効果が現れるまでに数週間かかることが多く、途中で自己判断でやめてしまうと効果が現れません。一度改善した後も、再発を予防するために一定期間服薬を継続することが大切で、やはり自己判断でやめてしまうことで、速やかに再発につながるおそれがあります。原則として医師からの指示があるまでは服薬を継続していただくことが大切です。また、副作用についても、当院では原則半年に1回程度は定期的な血液検査でモニタリングします。医師と相談のうえ、安全かつ安心して進められるように配慮しています。
精神療法(支持的精神療法)では、患者さまの不安な気持ちや辛い気持ちに寄り添いながら、ストレスへの対処法や考え方のくせに気づくための対話を行います。これにより、安心して日常生活を送れるように支えていきます。
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、速やかな改善が必要な場合には、電気けいれん療法(ECT)を行うことができます。強い希死念慮がある方、食事が摂れずに衰弱している方、薬の副作用が懸念される高齢の方など、薬物療法だけでは対応が難しいケースでも行うことが可能です。
入院が必要になる場合
次のような状態が続く場合は、入院による治療が必要と判断されることがあります。
死にたいという気持ちが強く、特に具体的な計画がある場合。食事が摂れず、体重が著しく減少している場合。「自分は罪深い人間だ」「大変な病気にかかっている」などの妄想的な思考が現れている場合。強い焦燥感で全く休めない状態が続いている場合。自宅では家事や家族のことが気になってゆっくり休めない場合。薬が飲めない、または身の回りのことが自分でできなくなっている場合。ご家族が疲弊し、自宅での生活が難しくなっている場合。
入院を希望される方や、判断が難しい場合はお気軽に医療福祉相談室にご相談ください。
回復までの経過
うつ病の回復には、一般的に数か月から1年程度かかることが多いです。治療を始めても最初はなかなか変化を感じにくい時期が続くことがありますが、焦らずに継続することが大切です。
回復の経過はゆるやかであることが多く、良くなったり少し戻ったりを繰り返しながら徐々に改善していきます。症状が落ち着いてきても、再発予防のために薬の服用を続けることが重要で、自己判断での中断は避けてください。
退院後や通院中も、当院では訪問診療や訪問看護、デイケアなどを通じて、生活の場に近いところから回復を支える体制を整えています。
訪問診療について詳しく デイケア・デイナイトケアについて詳しく
よくある質問
- 精神科や心療内科の受診に抵抗があります。どうしたらよいですか?
- 「精神科に行くのは敷居が高い」と感じる方は少なくありません。しかし、うつ病は脳の病気であり、風邪と同じように適切な治療が必要な状態です。「自分が弱いから」とか「甘えているから」などといった正常の心理状態で説明できるものではありません。当院では初めて受診される方でも安心して話せるよう、丁寧な問診を心がけています。ご本人だけでなくご家族からのご相談を受けることもできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
- 初診の予約はどうすればよいですか?
- 現在、当院の初診は原則としてお電話にてご予約いただいています。受付時間内にお電話ください。当日の混雑状況によっては、お待ちいただく場合もございます。当日でも初診のご予約をお受けできる場合もありますので、まずはお電話でお問い合わせください。
- 仕事や学校を休む必要がありますか?
- 症状の程度によって異なります。軽度から中等度の場合は、通院しながら日常生活を続けることも可能ですが、重度の場合は休養が回復への重要なステップとなります。医師と相談のうえで休養の可否を判断することとなりますが、診断書の発行も行っておりますので、休職が必要と考える場合はご相談ください。
- 薬を飲み続けることが不安です。
- 抗うつ薬は依存性がないと考えられており、専門医の指示のもとであれば比較的安全に使用できる薬です。副作用については定期的な検査で確認しながら安全に治療を継続できるように進めます。薬の種類や量は症状に合わせて調整しますので、気になることは遠慮なく医師にお伝えください。
- 家族がうつ病かもしれません。受診させるにはどうすればよいですか?
- ご本人が受診に消極的な場合でも、ご家族だけで当院の医療福祉相談室にご相談いただくことができます。どのように関わればよいか、受診を勧める方法など、具体的なアドバイスをお伝えしています。
- うつ病は再発しますか?
- 残念ながら、うつ病は再発しやすい病気でもあります。特に、治療を途中でやめてしまった場合や、強いストレスが重なった場合に再発しやすい傾向があります。このため、自己判断で治療を中断することなく、回復後も主治医と相談しながら、無理のない形で治療を継続することが大切です。
- オンライン診療は利用できますか?
- 当院ではオンライン診療(メドレーCLINICS)にも対応しています。通院が難しい場合や、外出に不安がある場合はご相談ください。ただし、オンライン診療が可能か否かについては医師が判断いたします。また、実際の受診も定期的に併用する必要があります。
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